裁判官の劣化

司法書士会でも有名なあの岡口裁判官が,「裁判官は劣化しているのか」との,なかなかのタイトルの本を出版されるようですね。

昨今,法科大学院制度やそれと関連した司法試験合格者の激増の流れなどから,法曹の質が低下したという話はしばしば耳にします。
ただ,ごく普通に暮らしている大多数の人には,「法曹の質」だの「裁判官の劣化」と言ってもぴんとこないですよね。あくまで他人事です。
ある判決が出されると,その結果だけを見て「あの裁判官だめだろ。」みたいな感じでネットで叩く。その程度であって「法曹の質」という話には結びつかないのが通常です。

司法書士もそうですが,こと資格試験のある職業においては,ただでさえ上位合格者と下位合格者ではその知識量や能力に一定の差があるでしょうから,合格者を増やせば全体の質が低下するのは当然です。(経験上,試験結果と実務能力は必ずしも比例しませんが,無条件に数を増やせば全体としての質の低下が起きることは当然だと思われます。)。

ただ,裁判官の質の低下の問題は,他の多くの専門職と違い,裁判官を選べないところが大きな問題です。
やってもほとんど無駄な忌避申立て制度などをのぞき,いざ自分が裁判手続の当事者となったときには,その裁判所のその裁判官が担当となったなら,それを受け入れるしかありません。

そういうことからすると,法曹,特に裁判官の質の劣化が本当であれば,長いスパンで考えると裁判所の信頼の失墜,さらには法治国家の崩壊に繋がっていく大きな問題になっていきます。

少し落ち着いたらこの本を一度読んでみようかと思います。

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