裁判所書記官の日常その8「事件という単語」

貸金返還請求でも建物明け渡し請求でも,裁判所に申立てをすると,申立てごとに「事件番号」と「事件名」が付けられます。これは訴訟だけに限られません。家裁の手続もみな「事件」です。裁判所は,受理した各種の申立てを,この「事件番号」と「事件名」で特定していきます。

遺言書の検認も事件,養育費の支払いを求める債権執行も事件,離婚も裁判所の手続きを通して行う以上「事件」です。

単なる呼び名と思ってもらえば良いのですが,この「事件」という語に違和感を抱く一般の方が少なからずいます。
「事件」と聞くと,強盗やら詐欺やらの「刑事事件」が真っ先に思い浮かぶようで,前述した貸金請求や建物明け渡し請求などの所謂「民事事件」はピンとこないようなのです。
そのため,裁判所としては当たり前の感覚で「〇〇事件については・・・」と話をすると,「事件って!!」と驚かたり,「事件と呼ぶほどのおおごとではないです!」と否定されることもありました。

同じように,一般の方が違和感を抱く語に,民事事件の「被告」という語があります。刑事事件の「被告人」と響きが被るので不快に感じる方もいるようです。
どちらの言い分が正しいかなどとは関係なく,訴訟を提起すれば「原告」,提起されれば「被告」と法律で決まっているのだから,仕方がないところではあるんですが・・・。

その他には,あまり好まれない法律用語としては,債権執行手続に登場する「第三債務者」などもありますね。

(つづく)

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