裁判所書記官の日常37「更正決定の責任の所在」

以前に更正決定のことを少し書いたので,ついでにもう少し書いてみます。

裁判所の過誤により判決等に間違いがあった場合に,それを正すのが更正決定ですが,そもそも「裁判所の過誤」とは誰の過誤なのでしょうか。

判決は,当然のことながら裁判官が作成者(作成名義人)なので,過誤の責任は第一義的には裁判官であることは間違いありません。
ただ,判決文は,完成前に必ず担当書記官のチェックが入ります。
特に過誤となりやすい数字や固有名詞等は確実にチェックをしています。
(なお,書記官の判決チェックは,判決の形式面だけでなく,請求や抗弁が過不足なく記載されているか,採用する証拠に誤りはないか等,ある程度判決の実質(内容)面にも踏み込むことが期待されています。ただ,どこまでのチェックが出来るかは担当書記官の個々の力量に大きく左右されます。)。

そのため,実際に判決に過誤が発見された場合(往々にして,誤字脱字等のケアレスミス),作成者が裁判官だとはいえ,書記官としても全く責任なしとはいえないのが実情です。

さらに,同じ判決でも調書判決であったり,あるいは和解調書であれば,まさに作成者は書記官になります。
これらの調書には裁判官も押印をしますが,この場合の押印はあくまで「確認しました」程度の意味合いで,複雑な内容でもない限り裁判官がどこまで内容を確認しているかは微妙なところです(これも属人的な要素が強い気がします)。

裁判所とはいえ,所詮ヒトのやることなので過誤はなくなりません。判決等の文書を受け取ったときは,必ず内容を確認することが大切です。

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