裁判所書記官の日常その4「勝てますか?」

以前のブログに,裁判所の窓口で「自分で出来ますか?」と質問されることがしばしばあると書きましたが,「勝てますか?」という質問はそれと同じくらい多い質問です。

法律系のクイズ番組等の影響でしょうか,事情をあれこれ説明されて,最後に「これで勝てますか?」と尋ねてきます。類似の質問に「証拠は何があれば勝てますか?」というものもあります。

結論から言えば,勝つか負けるかは「わかりません」!

以前にも書きましたが,訴訟はやり方がまずいために負けることもあります。
また,同じ「領収書」というタイトルの書面であっても,それを作成した事情や背景,その記載内容などにより,どの程度の証拠価値があるかはやってみないとわからないです。

そのため,窓口対応をする裁判所書記官は,「勝つか負けるかはやってみないとわかりません。」「勝ち負けは実際の裁判の中で裁判官が判断するものです。」との趣旨の説明(逃げ口上?)に終始します。

ただし,実際のところ,そのような窓口対応は裁判所の公平性を維持するためにしているものであって,本当に結論が予想できないケースばかりではありません。来訪者が帰った後に,「あれじゃ勝てないな。」とか「こういう主張すればまず勝てるだろうね。」などと周囲の書記官と話すことも少なくありません。
隠し事している訳ではないんですけどね。裁判所書記官としての立場上しょうがないんです。

そう言えば,実際にあった件で,「裁判所としては意見を言うことはできない。」旨の回答をしたところ,「では,あなた個人の意見を聞かせてくれ。」と言われたことがありました。勿論,丁寧にお断りしましたが・・・。

(つづく)

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