裁判所書記官の日常その5「小学生の法廷見学」

社会見学の一環として,小学生が法廷見学に来ることがあります。東京地裁のように大きな裁判所だと年間でかなりの回数になります。

小学生の法廷見学の案内をするのは,裁判所書記官や事務官などの一般職員がします。
何年生なのか,積極的に発言してくれるクラスなのか等によって,案内係の負担が大きく異なってきます。
私が担当をしたときは,5年生くらいの生徒だったので,十分理解力もあり,積極的に質疑応答にも参加してくれるクラスであったので非常に助かりました。

案内担当者には,事前に質疑応答のためのQ&A集が渡されますが,全体のページ数の割に死刑に関するQ&Aが多い気がします。それと言うのも,過去の例から,子供達は死刑について色々と質問してくることが多いからとのことでした。子ども心にもその言葉の重みや何かしら感じるものがあるのでしょうね。

法廷見学の中では,数人の生徒を配役に選んで模擬裁判を行います。すでに裁判所の方でストーリーやセリフを考えてあるので,特に難しいものではありませんが,最後に下す判決内容だけは裁判官役の生徒に考えてもらうことになっています。

私が担当したときには,コンビニでゲームソフトを万引きしたという事例の模擬裁判でしたが,裁判官役の生徒は,懲役300年の判決を下しました。実際の刑事事件の判決は軽いなと感じることもしばしばありますが,この判決はどう思いますか?(笑)

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