裁判所書記官の日常その7「調停委員の任命」

簡裁の民事調停や家裁の家事調停に携わる調停委員。裁判所が任命し,非常勤の公務員(裁判所職員)という地位にあります。

調停委員には,地元の弁護士や司法書士,医師,会計士などの専門家の他,地元企業の社長や元公務員など地域に密着して活動してきた人等,非常に多彩な顔触れです。いわゆる「地元の名士」などと呼ばれる方々が多いですかね。

調停委員の仕事をすれば日当や旅費が支給されます。ただ,仕事内容が,多くの場合,法律的に全く整理されていない当事者の主張を聞いてイチから整理していくことであることを考えると,決して高い支給額ではないと思われます。肉体労働系のバイトの日給の方がずっと高いでしょうね。
そういう意味では,とくに報酬に拘っていない地元の名士のような方々が,ボランティア的に引き受けてくれていると言った方が実情に合うかもしれません。

ただし,一定程度,名誉職として調停委員を引き受けている方もいます。
調停委員を長年続けていると,一定の条件によって,地裁所長表彰,高裁長官表彰,最高裁長官表彰等の表彰や国から勲章が授与されます。聞いたところでは,勲章が欲しくてしょうがないという人もいるようですが,私には今一つその気持ちはわかりません(笑)。

また,調停委員になることで実益のある方もいます。
すなわち,自己の名刺の肩書に「〇〇裁判所調停委員」と入れることができるようになります。そうすると,それだけでその名刺の所持者の信頼性が増すのです。そんな肩書関係ないよという方も勿論いるでしょうが,例えば,一般の方には能力差がわかりづらい士業(司法書士,土地家屋調査士,不動産鑑定士等)にとっては,勝手に「裁判所に認定されている優良士業者」的な解釈(誤解?)をしてくれることも少なからず期待できることになります。

 (つづく)

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