裁判所書記官の日常その12「得点調整」

某医大の入試試験における得点調整の件が連日さまざまなメディアで報道されていますね。

大学に限らず会社でも何でも,採用試験(入学試験)をする組織は,試験をすることによって自分たちが欲しい人材を採用する(合格させる)のはある意味当然です。
今回の件は,男女差別うんぬんよりも,採点基準を明らかにせずにコソコソと得点調整をしていることの方が問題なんでしょうね。

ところで,裁判所において「内部試験」と呼ばれる試験がいくつかあります。書記官になるための書記官任用試験,管理職になるための管理職昇進試験,その他純粋に内部試験ではありませんが,簡易裁判所判事採用試験,執行官採用試験などもあります。

こういった内部試験などは,当然のことながら人事政策的なものが合否に少なからず影響を与えます。
私が書記官任用試験を受けたときは,CE,CPと呼ばれる2種類の試験があったのですが(どちらに合格しても書記官になれますが,合格後の研修内容が異なってきます。),まだ合格発表前に上司にこっそり呼ばれ,「仮に両方合格していた場合,どちらの試験にしますか?」と聞かれ,片方の試験の取下書を書かされた思い出があります。
合格者の人数調整をするためなのでしょうが,合格発表前なので,万一取り下げをした方しか合格してなかったらどうしてくれたんでしょうね(笑)
最近では,国をあげての女性管理職登用を促進する政策を受けて,管理職採用試験は女性の方が有利だなどという話も聞こえてきます。

ま,どんな試験でも多かれ少なかれ平等ではないと割り切って,圧倒的な得点を挙げて有無を言わせずに合格するしかないんでしょうね。

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