昨日,東京地裁で,裁判官が暴行を受けるという事件がありました。報道によると,容疑者は民事裁判手続に不満があったとのことです。
結果的に軽傷に済んだからか,それほど過熱した報道はされていませんが,仮に凶器が刃物だったらとか,容疑者がもっと深刻な危害を加える意思をもっていたらなどと考えるとぞっとします。
裁判所は,東京地裁や横浜地裁などの大規模庁には,入口に金属探知機が設置されていたり専属の守衛(警備員)さんがいたりして,それなりに犯罪抑止効果が認められます。
しかしながら,地方の小規模庁,こと独立簡裁などとなると,裁判所の警備体制は皆無です。法廷まで危険物を持ち込まれても全くわかりません。
実際に私が知っている範囲でも,事件当事者が裁判所(書記官室)に刃物をもってきていたという話は複数回あります。その他にも,全国の裁判所庁舎内で起きた事件は,新聞ざたになったものだけでもいくつもあります。
裁判所(裁判官)という重要な国家機関について,もう少し警備体制を考えた方が良いのではと,ずっと昔から思っていたのですが,今回もまた改めて考えさせられる事件でした。