裁判所書記官の日常25「裁判所職員の不正」

残念ながら,裁判所職員の不正行為や不祥事はたびたび起こります。裁判所外での迷惑行為や犯罪行為は論外ですが,裁判所事務に関連しての不祥事も定期的に起きています。

ただ,これにはいくつかのタイプがあります。

一つ目は,自分の仕事を全くせず,机やロッカーの中に何か月も関係書類を放置してしまう消極的タイプ。
これは忙しすぎて仕事が回らなくなり放置したとか,難しい事務処理について周囲に相談できず,仕事をため込んでしまったなどが理由に挙げられます。

二つ目は,裁判事務の中で取り扱っている収入印紙や切手等を窃取する犯罪タイプ。
言い訳には勿論なりませんが,借金の返済のためなどがお決まりの理由になります。

上記の二つのタイプは,民間の会社でもおそらく存在すると思われますが,裁判所職員にはもう一つ,勝手に決定や命令の正本を作成してしまうタイプ,積極的タイプとも言うような不正行為があります。

裁判所書記官の仕事は,決裁権者である裁判官の印がないとそこから先に進めないという仕事が多く存在します。決定や命令は裁判官名義で発出するものですので,その最たるものです。
たとえ99%(あわよくば100%)書記官の考えで手続を動かしていたとしても,とりあえず形式的に裁判官の押印がないとその先の手続に進めません。
決定や命令であれば,原本に裁判官が押印し,その後,書記官が同じ内容の決定正本や謄本(いわゆる写し)を作成し,当該決定に基づきその後の手続を進めていくという流れになります。

そのため,裁判所書記官としては,担当裁判官が不在のために(形式的な押印がないだけのために)仕事が遅々として進まず,どんどん処理未済がたまってしまうという事態に陥ることがあります。
そんなときに魔がさすことになるのです,「どうせ結論は変わらなし・・・」と。
積極的タイプの方は,ある意味,真面目で仕事に融通の利かない人が陥りやすいのかもしれないですね。

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