裁判所書記官の日常29「仕事納め」

この時期になると,裁判所書記官だけではなく,誰でも,自分の持ち仕事をきれいにして仕事納めを迎えたいと思うことでしょう。
ただし,弁護士も当然同じことを考えています。そのため,年末にどっと新たな申立ての増えることが少なくありません。
このような,いわゆる「書類の出し逃げ」は,お盆休み前と仕事納め前の風物詩のようなものです。

毎年のことなので,慣れた書記官は多少イラッとしつつも,今更慌てても仕方がないので,自分の未済箱にそっと書類をしまいます。もう来年でいいやと。
ここで多少無理して急いで書類審査をしたとしても,弁護士側の次の対応は年明けになります。また,ほとんどの弁護士事務所の正月休みが裁判所より長いため,年明け早々は,そもそも弁護士に連絡がつかないことがわかっているため,年が明けてから書類審査を始めても結果的にほとんど変わらないのです。

ところで,自分がまだ入所したての古き良き時代の裁判所は,仕事納めの日は,受付に最低限の人員だけ残して,3時くらいから庁内の大部屋で忘年会をしたりしていました。
下っ端だった自分は色々と買い出しに行かされた記憶があります。また,仕事始めはいつもより遅めの通勤が許されていました。

公務員に対する世間の目が厳しい現在では考えられない風景がそこにはありました。

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