先日,「家庭の法と裁判」の号外として「東京家裁第5部(遺産分割部)における相続法改正を踏まえた新たな実務運用」が出版されました。
まだ途中途中しか目を通していませんが,こういう裁判所ないし現役の裁判官及び書記官が執筆(編著・監修)している書籍は,法律論だけではなく実務の取扱いが記載されているので,裁判所関連の手続をする際には非常に助かりますね。
裁判所や現役の裁判官等が携わった本の中でも,司法協会の各種講義案・研究本,東京地裁民事執行センターの「民事執行の実務」,同地裁の「破産・民事再生の実務」,同「民事保全の実務」などは,どこの裁判所にも置いてあり実務の指針になっています。
その他には,民事法研究会の「書式〇〇の実務」シリーズや,岡口基一裁判官の「要件事実マニュアル」なども定番で,必ずどこの裁判所でも参考にしていると言っても過言ではありません。
提出した書類を審査する立場である裁判所が参考にしている書籍なので,これらに従って手続を進めていけば,大きく踏み間違えることは通常ありません。
勿論,学者さんの書いた重厚な理論の本も有用なのですが,ただでさえ高い法律の本を,欲しいからと全て購入するわけにはいかないのが現状です。
なので,初めて行う手続で,手っ取り早く実務的な部分を知りたい場合に購入する書籍としては,裁判所も利用している「裁判所ないし現役の裁判官等が携わっている書籍か否か」というのが,費用対効果の面から一つの判断基準になると思います。