裁判所書記官の日常42「準備書面を読む」

簡裁の事件ではほとんどありませんが,地裁の事件だと双方から準備書面が何度も提出される場合があります。
そういう場合に,担当書記官がどこまで準備書面を読み込んでいるかは,本当に人それぞれです。残念ながら,ほとんど中身は読まずに,単に記録に綴り込むだけに近い方もいます。それでも一応仕事が回せてしまうのもまた事実です。

書記官の大事な仕事の一つに,言渡し前の判決チェックがあります。
このチェックには,誤字脱字等の形式的なものは勿論,要件事実等の内容部分等のチェックも期待されています。
そのため,裁判中に提出された書面は逐一目を通していないとチェックできないはずなのですが,内容はあくまで裁判官の権限(責任)と割り切っていたり,はたまた自分の能力的な問題から「てにをは」のチェックぐらいで済ませてしまう書記官もいます。

本人の能力以外の部分で,書記官が準備書面を読み込むことを難しくしている要因としては,時間がないということも挙げられます。
何十件(多い係だと百件超)の担当事件について,滞りなく進行を管理することが書記官の主たる仕事ですので,どうしても時間に限界があります。
さらに言えば,多くの準備書面が期日直前(ひどいと当日の朝)に提出されるため,まずは裁判官に読んでもらうために書面を渡してしまうと,期日前に自分がじっくり読み込む時間がないこともざらにあります。

本当は,書記官一人あたりの持ち事件数がぐっと落ち着いて,各書面をじっくり読み込んだり,弁論準備手続もしっかりと立ち会えるような時間が持てれば,書記官がもっと裁判の実質的な部分に参加できて,より意欲的に仕事ができるのではと思うのですが・・・。

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