相続法の改正によって,特別の寄与に関する制度が始まりました。
この制度は,相続人ではない親族の方が,被相続人の療養看護に努めるなどの貢献を行った場合に,その方にも一定の相続財産の分配を認めることが実質的に公平だとして始まったものです。
先日,直接この制度の申立ての相談ではないのですが,遺産分割の相談を受けているときに話題にあがりました。
被相続人は,生前,相続人とはほとんど交流がなく,相続人ではない遠い親戚の方が被相続人とずっと連絡を取り合っていました。
被相続人が亡くなる直前も,被相続人が老齢の一人暮らしで,かつ,過去のケガが原因で身体も不自由な面があったため,その親戚の方が自宅に引き取って一緒に暮らしていた事情がありました。
その親戚の方は好意でやっていた面があるため,金銭を請求するつもりはさらさらなかったのですが,「こういうのは全く考慮されないんですかね。」と苦笑いをしていたのが印象的でした。
もちろん,世話をしていたからといって特別の寄与が認められるかどうかはわかりません。
が,被相続人が亡くなるまでほとんど交流がなかった相続人と,他方で,何年も交流を続け世話を続けていた方・・・ちょっと考えさせられる出来事でした。