手続きの流れや方法を色々と説明した後に,「では,これで大丈夫ですね?」と尋ねられる相談者の方がときどきいます。
単純な登記申請であれば,必要書類を指示し,それが揃えば「はい,大丈夫です。」でも良いのですが,なるべく依頼者の方に手続きを理解してもらったうえで進めたいので,なぜこの書類が必要になるか等なるべく具体的に説明するようにしています。
「大丈夫ですね?」「大丈夫ですか?」という質問は,こと裁判所の手続のときは慎重にならざるを得ません。
訴訟であれ,破産申立てであれ,家事審判であれ,裁判所の手続は通常,裁判所の判断および相手方(や利害関係人等)の不服申し立てがセットになっていますので,絶対大丈夫とは言いづらいところがあるからです。
もちろん,必要以上に不安にさせる必要はないので,99パーセント大丈夫という案件と70~80パーセント大丈夫のものでは説明に差をつけるようにしています。
この辺の感覚は,やはり実務経験が役立っていると思いますが,司法書士になった当初の頃は,中立的な裁判所職員の感覚のまま,万が一にしかない不服申し立ての話などを強調しすぎて上手くいかなかったこともありました。
何事も経験ですね。