「不要な農地をどうにか処分したい。」そんな相談をたまに受けますが、なかなか難しい問題ですね。
農地の処分(所有権移転)というと、司法書士の場合、真っ先に農業委員会の許可の必要性について思いつきます。
勿論それも重要な手続きで、その許可の存在が農地の処分を難しくしているのですが、実際に相談を聞いていると、「高齢になって農業を続けられない。」「このまま農地を持っていても後継者がいない。」など、農地を処分しようという動機の部分に、すごく現代的な問題を感じることがあり、こちらの方がより深刻な問題のような気がします。
田舎の広大な農地は、価格こそ安いですが、それでも譲受希望者は簡単には見つかりません。
仮に、このままの状態で相続が発生すると、相続登記自体は農業委員会の許可が不要だとしても、相続人世代が当該土地の処分に悩むという繰り返しになってしまいます。
さらに、相続が発生して遺産分割協議をすると、相続人は皆、当該土地自体は不要だけど売却したお金は欲しい、などと言い出す状況も想像に難くありません。
相続放棄はできますが、土地の所有権の放棄はできない現状、何か良い方策がないか事案ごとに色々悩まされるところです。