家や仕事を失い行く場を失った人を、しばらくの間、自分の家に住まわせてあげることにしました。困っているだろうと善意で居候させてあげたので、もちろん家賃などはもらいません。
さて、月日が経ち、そろそろ出てってくれないかと思っても、その居候は一向に退去してくれません。数週間、数か月、1年・・・・。
こんな相談がありました。さて、どうしましょうか?
この居候は、タダで他人の家(ないし家の一部)を借りている状態ですので、法律をかじったことのある方は、「使用貸借」という語が頭に浮かぶと思います。
そして、使用貸借関係の借主の立場は、賃料を払って借りている「賃貸借」の借主ほど法律上強くはないということも知っていると思います。
ただ、実際のところ、使用貸借=すなわちタダで居候させてあげるような借主は、身内や親戚、親しい知人などであることが通常で、そういう近しい人間関係の面から、逆に退去させづらいというところもあります。
相談の回答としては、明渡しを求める調停や訴訟という手段を説明することになりますが、やはり今後の人間関係を考えると、当事者間の話し合いで解決するのが一番であることは言うまでもありません。
「もう少し考えてみます。」とのことで相談は終わりましたが、はたして今後どうなることやら・・・。